私は20代の頃から、季節の変わり目になると必ず唇がガサガサになり、ひどい時には笑うだけでパキッと裂けて出血するほどの重度な口唇炎に悩まされてきました。自分なりに色々な口唇炎の治し方を試してきましたが、薬局で「高保湿」と書かれたリップクリームを何種類も買い漁っては塗り、数日経つとさらに症状が悪化するという絶望的な日々を繰り返していました。ある時、あまりの痛みに耐えかねて皮膚科を受診したところ、先生から告げられた言葉は「良かれと思って塗っているそのリップクリームの成分が、あなたの口唇炎の最大の原因かもしれない」という衝撃的なものでした。私の場合は、特定の植物由来成分に対するアレルギー反応が接触性口唇炎を引き起こしており、それを乾燥だと思い込んで塗り重ねていたことが最悪の選択だったのです。先生から指導された口唇炎の治し方は、驚くほどシンプルでした。それは、これまで使っていた全てのケア用品を一旦中止し、不純物の極めて少ないプロペト、いわゆる高品質な白色ワセリンだけで保護すること、そして食事の際も唇に食べ物が直接触れないように一口を小さくすること、さらには歯磨き粉の泡が唇に残らないよう徹底的にすすぐことでした。最初はこのシンプルな方法で本当に治るのか半信半疑でしたが、3日も経つと唇の熱っぽさが引き、1週間後にはあんなに繰り返していた皮剥けが落ち着いてきたのです。また、私は仕事のストレスから無意識に唇を舐めたり、剥がれかけの皮を指で剥いてしまう癖がありましたが、これも口唇炎の治し方を妨げる大きな要因だと指摘されました。意識的に「唇に触れない」というルールを自分に課し、乾燥を感じたら舐める代わりに指でそっとワセリンを置くようにしました。さらに、食生活でも変化がありました。それまでは菓子パンや麺類中心の生活でしたが、粘膜を強くするために赤身の魚や緑黄色野菜を意識して摂るようにし、ビタミンB群のサプリメントも併用しました。すると、唇だけでなく肌全体の調子も良くなり、体力もついてきたように感じます。今では、あんなに苦しんだ口唇炎から解放され、口紅を塗っておしゃれを楽しむこともできるようになりました。私の体験から言える口唇炎の治し方の極意は、外からの過剰なケアを削ぎ落とし、内側からの再生力を信じてシンプルな保護に徹することです。もし今、何をやっても治らないと嘆いている方がいたら、まずはその手に持っているリップクリームの裏面を眺めて、自分の唇にとって本当に必要なものは何かを考え直してみてほしいと思います。