それは本当に突然のことで、その日の昼間は、仕事に追われて特に体の不調を感じることもなく過ごしていました。しかし、すべての用事を終えて、ようやくベッドに入り体を横たえた瞬間、奥歯のあたりにじわじわとした違和感が広がったのです。最初は気のせいかと思おうとしましたが、その違和感は次第に明確な痛みに変わっていきました。ズキン、ズキンと脈打つような痛みで、とても眠れるような状態ではありません。体を起こしてみると、不思議と痛みは少し和らぐのです。しかし、再び横になると、まるで待ち構えていたかのように激痛が襲ってくる。その繰り返しでした。どうして横になると痛むのだろう。昼間は何ともなかったのに。頭の中は疑問と不安でいっぱいになりました。何か悪い病気なのではないかという恐怖さえ感じました。その夜は、クッションで上半身を高くして、なんとか浅い眠りにつくのが精一杯でした。翌朝、すぐに歯科医院に電話をしました。診察の結果、自分では気づいていなかった深い虫歯が神経の近くまで達しており、歯髄炎を起こしているとのことでした。夜間に痛みが増したのは、横になることで歯の神経に血液が集中し、圧迫されていたからだと説明を受け、心底納得しました。あの夜の痛みは、私の歯が発していた限界のサインだったのです。この経験を通じて、体に少しでも異変を感じたら、自己判断で放置せず、すぐに専門家に相談することの重要性を痛感しました。