下の親知らず問題!生える本数と抜歯の判断基準
大人の歯の本数を複雑にしている最大の要因、それが「親知らず」です。正式名称を第三大臼歯といい、一番奥に最後に生えてくる歯として知られています。特に下の親知らずは、様々なトラブルを引き起こしやすいため、多くの人を悩ませる存在です。下の親知らずは、何本生えてくる可能性があるのでしょうか。基本的には、左右の顎に一本ずつ、合計で最大2本生える可能性があります。しかし、すべての人に2本とも生えてくるわけではありません。もともと親知らずの芽が存在しない人、片方しか存在しない人、あるいは存在はするものの骨の中に完全に埋まったまま一生出てこない人もいます。そのため、下の親知らずの本数は0本、1本、2本のいずれかとなり、人によって異なります。問題となるのは、この下の親知らずが生えてくるためのスペースが、現代人の顎には不足しがちであるという点です。スペースが足りないことで、横向きや斜めに生えてきたり、歯の一部だけが歯茎から顔を出したりすることが多くなります。このような不完全な生え方は、隣の健康な歯を圧迫して歯並びを乱したり、歯と歯茎の間に深い溝を作って細菌の温床となり、痛みや腫れを伴う「智歯周囲炎」という炎症を繰り返したりする原因となります。また、歯ブラシが届きにくいため、非常に虫歯になりやすい歯でもあります。もし下の親知らずがまっすぐに生えており、上下の歯としっかり噛み合っていて、清掃も問題なく行えるのであれば、必ずしも抜歯する必要はありません。しかし、痛みや腫れを繰り返す、虫歯になっている、あるいは隣の歯に悪影響を与えている場合は、抜歯が推奨されます。