下唇に口内炎ができてしまうと、食事の時間が一転して苦痛の時間になってしまいます。しかし、食事を摂らなければ体力も免疫力も落ち、回復が遅れるという悪循環に陥りかねません。ここでは、口内炎の痛みを極力避けながら、栄養を摂るための食事の工夫を紹介します。まず、大原則として「刺激物を避ける」ことです。香辛料が多く使われた辛いもの、お酢や柑橘類などの酸っぱいもの、醤油やソースなどの塩辛いものは、患部にしみて激痛を引き起こします。これらは完全に治るまで我慢しましょう。また、食べ物の「温度」も重要です。熱々のスープや飲み物は、やけどのように患部を刺激します。人肌程度に冷ましてから口にするように心がけてください。逆に、冷たすぎるものも刺激になることがあるので注意が必要です。具体的なメニューとしては、おかゆや雑炊、よく煮込んだうどんなどが主食としておすすめです。具材も、豆腐や卵、ひき肉、細かく刻んだ野菜など、柔らかくて噛む回数が少なくて済むものを選びましょう。タンパク質やビタミンの補給には、ポタージュスープや茶碗蒸し、プレーンヨーグルト、バナナなどが適しています。飲み物で栄養を補給するのも良い方法です。野菜や果物を使ったスムージーは、ビタミンを効率的に摂ることができますが、酸味の強い果物は避けた方が無難です。そして、意外と効果的なのが「ストロー」の活用です。飲み物が患部に直接触れるのを防いでくれるため、痛みをかなり軽減できます。食事は回復のためのエネルギー源です。少しの工夫で苦痛を和らげ、しっかりと栄養を摂ることが、つらい口内炎から一日も早く解放されるための近道なのです。