小さなお子さんの下唇に、赤く腫れたり白くなったりしている口内炎を見つけると、親としてはとても心配になりますよね。大人でもつらい口内炎の痛みは、子供にとってはなおさらです。言葉でうまく痛みを伝えられない分、食事を嫌がったり、不機嫌になったりすることでサインを送っている場合もあります。まず、親がしてあげられることは、痛みを和らげ、悪化させないための環境づくりです。食事は、子供が食べたがるものを中心に、できるだけ刺激の少ないメニューを工夫してあげましょう。熱いものは人肌に冷まし、醤油やお酢、ケチャップなどの調味料は控えめにします。食材は細かく刻んだり、とろみをつけたりして、あまり噛まなくても飲み込めるようにしてあげると、食べる時の痛みが和らぎます。ゼリーやプリン、アイスクリームなど、冷たくて喉越しの良いものは、痛みが強い時でも比較的食べやすいでしょう。水分補給も大切ですが、酸味のあるジュースは避けて、麦茶や牛乳などをストローで飲ませてあげるのがおすすめです。口の中を清潔に保つことも重要ですが、痛がる時に無理に歯磨きをするのは逆効果です。ぬるま湯でぶくぶくうがいをさせてあげるだけでも構いません。市販の子供用口内炎薬もありますが、使用する際は必ず対象年齢を確認し、薬剤師に相談しましょう。通常は一週間ほどで自然に治りますが、痛みが強くて水分も摂れない、熱がある、口の中に多数のできものが広がっている、といった場合は、小児科や小児歯科を受診してください。ヘルペス性口内炎など、特別な治療が必要な場合もあります。優しく見守り、適切なケアをしてあげることが、お子さんのつらさを和らげる一番の薬になります。