生まれつき下の歯が少ない!知っておきたい治療の選択肢
歯科医院でレントゲンを撮った結果、「生まれつき下の歯が一本足りませんね」と告げられることがあります。これは「先天性欠如」と呼ばれ、決して珍しいことではありません。永久歯の元となる歯胚が作られないことで起こり、特に下の第二小臼歯や前歯によく見られます。歯が一本少ないと聞くと不安になるかもしれませんが、様々な治療法によって機能的にも審美的にも問題を解決することが可能です。どのような選択肢があるのかを知っておくことは大切です。まず、もし歯が一本なくても、他の歯が自然に隙間を埋めるようにきれいに並んでおり、噛み合わせにも問題がない場合は、特別な治療をせず経過観察するという選択肢があります。これは最も体に負担の少ない方法です。しかし、歯と歯の間に目立つ隙間ができてしまっている場合や、噛み合わせに問題が生じている場合は、積極的な治療が検討されます。代表的な治療法の一つが「矯正治療」です。歯全体を動かして隙間を閉じたり、後々別の治療がしやすいようにスペースを整えたりします。矯正治療だけで隙間を完全に閉じることができる場合もあります。また、空いているスペースを補う方法としては、「ブリッジ」や「インプラント」があります。ブリッジは、欠損した歯の両隣の健康な歯を削って土台にし、橋をかけるように連結した人工の歯を装着する方法です。一方、インプラントは、歯が足りない部分の顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する方法で、周囲の歯を削る必要がないという大きな利点があります。どの治療法が最適かは、年齢、顎の骨の状態、他の歯の状態、そして患者さんの希望によって異なります。