下の歯の本数が違う?それが招く歯並びへの影響とは
下の歯の本数が標準とされる14本(親知らずを除く)と違う場合、それは歯並びに様々な影響を及ぼす可能性があります。歯は、互いに隣り合い、支え合うことでアーチ状のきれいな列を形成しています。このチームワークの一部が欠けたり、余分なメンバーが加わったりすると、全体のバランスが崩れてしまうのです。まず、生まれつき歯が少ない「先天性欠如」の場合を考えてみましょう。歯が一本ないとそのスペースを埋めようとして、隣の歯が倒れ込んできたり、全体の歯列にすき間ができていわゆる「すきっ歯」の状態になったりすることがあります。歯と歯の間に隙間があると、食べ物が詰まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、噛み合わせの相手となる上の歯が、空いたスペースに向かって伸びてきてしまうこともあり、全体の噛み合わせの不調和につながります。一方、歯の本数が多い「過剰歯」の場合はどうでしょうか。余分な歯が存在することで、本来生えるべきスペースが不足し、他の歯が押し出されてしまいます。その結果、歯が重なり合って生える「叢生(そうせい)」、いわゆる乱ぐい歯の状態を引き起こしやすくなります。歯が複雑に重なり合った部分は歯ブラシが届きにくく、汚れが溜まりやすいため、こちらも虫歯や歯周病の温床となりがちです。このように、下の歯の本数の異常は、見た目の問題だけでなく、口腔内の清掃性や機能面にも大きく関わってきます。もしお子さんの歯の本数に異常が見られたり、ご自身の歯並びが気になったりする場合は、早めに歯科医院で相談し、矯正治療など適切な対応を検討することが、将来のお口の健康を守る上で非常に重要です。