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噛むと痛い奥歯を放置する、あまりに危険な末路
奥歯で噛むと痛い。でも、我慢できないほどの激痛ではないからと、痛い側を避けて食事をしたり、市販の痛み止めでごまかしたりして、歯科医院に行くのを先延ばしにしていませんか。その「まだ大丈夫」という油断が、将来のあなたの健康と経済状況に、どれほど大きな影響を及ぼすかをご存知でしょうか。噛むと痛いという症状を放置した先に待っている、あまりにも危険な末路についてお話しします。まず、痛みの原因が虫歯であった場合、放置すれば虫歯は確実に進行します。やがて神経に達し、夜も眠れないほどの激痛に襲われることになります。それでも我慢していると、今度は神経が死んでしまい、一時的に痛みはなくなります。しかし、これは治ったのではなく、病気がさらに深刻化したサインです。歯の根の先で細菌が繁殖し、顎の骨を溶かし始めます。最終的には、歯を残すことができなくなり、抜歯に至るケースがほとんどです。歯周病が原因の場合も同様です。噛むと痛いという段階は、すでに歯を支える骨がかなり失われている状態です。放置すれば歯の揺れはどんどん大きくなり、ある日突然、自然に歯が抜け落ちてしまうこともあります。そして、歯を一本失うことの影響は、その場所だけに留まりません。隣の歯が倒れ、向かいの歯が伸びてきて、全体の噛み合わせがドミノ倒しのように崩壊していきます。これにより、他の健康な歯にまで負担がかかり、次々と歯を失う連鎖が始まります。そして、失った歯を補うための治療(ブリッジ、入れ歯、インプラント)には、健康保険が適用されないものも多く、高額な治療費が必要となります。早期に発見して一本の歯を治療すれば数千円から数万円で済んだはずが、放置した結果、口全体の治療に数十万円、あるいは百万円以上のお金がかかることも珍しくないのです。噛むと痛いという小さなサインは、あなたの体が発している最後の警告です。その声に耳を傾け、勇気を出して歯科医院へ向かうこと。それが、あなたの未来の笑顔と健康、そしてお財布を守るための、最も賢明な選択なのです。